【イプセンHenrik Ibsen】
　人間の心理を巧みに描く心理小説の先駆けとなってくれた重要な作家。この企みによって、人間の行為には、意味があり、深層心理があることが明らかになった。代表作である「人形の家」は、かたちこそアブノーマルではないが、一人の女が自分の思い描くままの女であると考える男の愚かしさと、それに翻弄される女の苦悩が描かれている。その心理描写を、現代の多くの官能小説家が見習っていないのは、たいへんに残念なことである。

【イマージュ】
　マニアの中には、この小説とこの映画を知らない人は誰れもいないので、何も書く必要はないだろう。