【マゾヒズム】
  贖罪を好む性癖。罰を受けることによって、自らの罪とコンプレックスから解放され、はじめて性の快感を得ることができるという考え、または、その信仰のこと。足の裏まで舐めますから短小は許して快感をください。オシッコまで飲みますから体型のことは許して私を愛してください。鞭の罰を受けますから淫乱であることを許して快感のご褒美をください。
  左手のみで書きますから、このデタラメな辞典を作っている私を許して、面白いと言ってください。

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【窓 (その一)】
  スカートの中を覗くと犯罪になるらしい。窓も同じだ。そこにあって微妙に中の様子が見えるのに、それを覗くと犯罪になるらしいのだ。スカートをめくると犯罪になるらしい。窓も破壊しようと思えばかんたんなのだが、それをすることは犯罪であるらしい。
  空間を微妙に仕切り、その向こうには、生活もあれば性もある。それが窓だ。
  官能小説では、アブノーマルを表現するときには、必ず、この窓を記述しなければならない。
  小説の中に窓が出てきたら、それは深層心理にあるアブノーマル欲求の表現なのだと、たいていの読者は知っている。いや、知覚する。だから、窓の記述のないアブノーマル小説はだめなのである。
  逆に、窓の記述しかないアブノーマル小説というのは、これはありなのだ。そんな素敵な小説は読んだことがないが。これは私の知識の浅はかさで、世界にはたくさんの名作窓小説があるに違いない。

 
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