—ぬ—


【ぬいぐるみ】
  幼児が最初に所有する生命もどき。それは生命を象った玩具であるが、しかし、幼児はこれを支配することによって、自分が生命を支配できる特別な存在なのだと錯覚する。
  これは人間が最初にもつ錯覚なのだ。
  大人になっても、ぬいぐるみ収集を止めないのは、ぬいぐるみを支配すべき幼児期に支配される一方だった場合における代替行為となってしまっているからである。
  また、しばしばSが複数のMを同時に支配しようとするのも、この幼児期の支配欲求が満たされていなかったことによる。

スペース




【ぬかるみ】
  素足をぬかるみにつけると、誰れもが懐かしい感触を思い出すことになる。それは、世界中どこにあろうが、ぬかるみは全て地球の陰部だからなのである。
  それにもかかわらず、この表現を官能小説に使わないのは、間違っている。
「彼女のぬかるみに指を入れると」
「亀頭がぬかるみに突き刺さる」
  などと官能小説では使用すべきなのである。

 
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