—せ—


【性異常】
  レストランのテーブルにカレーがのる。迷わずに胡椒をかけた。テーブルの上にあるのだから、そうするためのものなのだと私は考える。
  デート中の彼女は怪訝そうな顔をした。
  一口食べるが、味がぼやけている。見るとタバスコもある。私はそれをかけた。彼女は不機嫌そうな顔で私を見ている。彼女が食べているのはオムライスだ。
  まだ、味がぼやけている、仕方なく醤油もかける。醤油はテーブルにはなかったが、キッチンに隠されていた。
  彼女が「異常よ」と、言った。
  これが性異常である。

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【性格】
  人間は社会構造が複雑になればなるほど、細かく分類したいという欲求が強くなる動物なのだ。
  いちご色もりんご色も朱色も紅色も、だいたい赤だ。
  人間などというものは、だいたい大人だったり、ほぼ男だったり、まあまあ女だったりする。
  しかし、そうした分類が大雑把だと思うなら、性格という考え方も必要なのかもしれない。
  そして、それに従うなら、著者は、明るいところがあって根の部分には暗さもあり、男っぽくて女性的な繊細さを兼ね備え、知性的な野生動物の要素と無軌道な理性を持った、思いやりのある自己中心的な性格と分類される。もちろん、もっと詳細に分類することも可能だ。

 
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