不思議な縛りでした。右手だけに縄がかけられず、そのくせ、他のところはいつも以上にきつい縛りだったのです。でも、右手が自由だということで、私はずいぶんと安心していました。怖いときには手で自分をかばうことができるし、水だって飲めてしまうんですから。
ああ、でも、それは間違いでした。唯一動くということは奪われた他の部分の不自由をより際立たせてしまうということだったのです。そして、その自由な右手に恥ずかしいいろいろなことを要求されることになるのです。他の部位が動かないだけに、私の右手はまるで他人のもののように利用されてしまうことになるのでした。愚かでした。右手が自由なら苦しくないなんて考えたことは、まったく愚かな考えでした。 |