【令嬢倶楽部】
  筆者が記憶するかぎり、日本で最初にSMクラブに若い可愛い普通の女の子というニーズを持ち込んだのが、このSMクラブだ。それまでのSMクラブは、ただ、マニアックであり、そうしたマニアのニーズに応じられるのは、マニアか年配の女性だった。
  ところが、このクラブは営業マニュアルを作製することによってマニアでない普通の女の子をSMクラブ嬢とすることに成功したのである。
  可愛い、美人というニーズを持ち込んだのは、その少し前にサンクスというクラブがあったが、徹底したマニュアル化により、まったく普通の女の子をSM業界に引き込んだのは、おそらくこのクラブが最初である。

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【レース編み】
  官能小説では、レースは女の上品さや気品を象徴したいときに使用する。
「白のパンツ」というべきところで「白のレース編みのパンティ」というのだ。そうすると、そのパンツを穿いた女は高校生などではなく、上品なお嬢さまか、知性的な奥さまという設定になるのだ。
  なぜ、レースに知性まで感じさせる力があるのか。それは、見たものに知性を要求するからなのだ。もし、パンツの裏にパンダの絵があれば、ああパンダだと思う。パンダを知っていることで、その人が知性的だと思われることはまずない。
  しかし、パンツのウエスト部分にあるレースが何を象ったものかは、なかなか分からない。分からないものを身につけているのだから、その人は知性的に違いないという思いがはたらくのだ。もちろん、実はパンツの持ち主もその模様の由来などは知るはずもないが、そんな事実はどうでもいいのだ。

 
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