【リビドー】
  性的衝動は個の中で変化する。ビジネス欲求は性欲の昇華であり、ケチはオムツ願望の変化であり、食欲は乳首への退行である。
  リビドーは個の中の欲求の源泉であり、源泉の量を示す言葉である。
  百円玉を拾う人は、肛門に対する好奇心があり、信号無視する人は、肛門性交を好むかどうかは分からない。また、幼年期の欲求を満たすべきだと考える人はウエット&メッシーを好むかどうかも分からない。さらには、純愛に対する強い欲求はマゾヒズムに通じているのかどうかも分からない。
  では、何が分かるのか。
  リビドーだと言ってしまえば何とかなるということが分かる。
「彼女がペニスの形にこだわったのは、彼女の中のリビドーがそうさせたのに違いない」
  と、書けば、なんとなくだが生物学的真理のように聞こえてくるのだ。

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  しかし「彼女はとにかく大きなペニスが好きだった」と書くと、その女が淫乱で安っぽく思えてくるものなのだ。

 

 

【リーベ】
  その昔、目黒にあった伝説のSMクラブ。ここの女性たちはとにかく美人だった。それだけで伝説だった。

 
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