【屋根裏部屋】
  そこには主の秘密がつまっている。昔の人間関係がアルバムや手紙や日記として閉じ込められている。昔の本で、書斎には置けないものが積み上げられている。
  そして、屋根裏部屋の床の穴からは、あられもない主の行動が見える。
  屋根裏部屋はアブノーマルな感性を無限に刺激する部屋なのだ。

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【ヤマアラシのジレンマ】
  A・ショウペンハウエルの「比喩と寓話」に出て来る話。
  山あらしが寒さのために互いの身体を寄せ合わせようとすると、針が刺さって痛い、しかし、離れると寒い、そうして互いの距離を模索するというような話。
  官能小説では、M女との距離のことで、この言葉が用いられる。
  つまり、M女を抱え込まなければ、Sは満足のいくプレイができないが、あまり深入りすればM女の針が刺さって痛みがある。痛いのはSは嫌いなのでM女を離す。離すと満足のいくプレイができないので、また、近づける。そうしてSとMの距離が保たれるようになる。
  そうしたことが分からずに傷つけ合うSMカップルのことを「あのカップルは、ヤマアラシジレンマに陥っているなあ」と、言うのである。

 
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