壁を背に立たされた瞬間には恐怖はりませんでした。服を脱がされていたので身体の前面の全てを晒すことには激しい羞恥はあったのですが、不安はありませんでした。羞恥に耐えていればいい、それだけを私は思ったのです。
ところが、そのまま放置が続くと、私は、自由な膝を折りたくなりました。座りたくなったのです。しかし、座れませんでした。座ろうとすると前に倒れてしまいそうになるからです。前に倒れたら私は顔を床にそのまま打ちつけることになるのです。それを想像してからは急に怖くなりました。不安になりました。同時に倒れてしまいたいという衝動にもかられました。私は何が何だか分からなくなっていました。
そして、そのまま小一時間が経ったのでしょうか。私はこの状態から解放してもらえるなら、もう、他のどんなことだってするって思っていたのです。そして、実際、解放を条件に、あらゆる屈辱を受け入れてしまうことになったのでした。 |