緊縛されることには慣れていました。緊縛されたまま犯さられることにも慣れていました。そうしたことは、私にとっては、もうきつい責めではなく、むしろ快感をともなったご褒美のようになっていたのです。
ですから、この縛りをされたときにも、いつもの悦楽が私に与えられるものと考えていました。
ところが違いました。後ろから愛撫されると、少しの苦痛がありました。愛撫は気持ちのいいもののはずなのに苦痛なんです。さらに、いつものように挿入がはじまると、私は自分がとんでもなく苦しいことに気付いたのです。突かれる度に首は絞まるし、快感に息が荒くなろうとするのに、それが許されないぐらい呼吸が圧迫されているのです。気持ちいいところに苦痛がある。それはまさに気持ちいいからこその地獄の苦しみでした。 |