床に顔を押し付けていないとバランスを崩して倒れてしまいます。
以前、倒れたときには嫌というほど脇腹を打たれました。脇腹はその
痛みの激しさも耐え難いのですが、何よりも付いた痣が消え難いのが
困るのです。
ですから、私は膝を折って手を頭の後ろに抱えさせられたまま、じ
っと耐えるのです。恥ずかしい部分を上に向けて晒す羞恥と痛みに耐
えるのです。背中とお尻がジリジリと焼けたように痛むのですが、そ
の痛みに、ただ、じっと耐えるのです。そうすれば痛みは背中とお尻
だけですむし、痣もそこにしか付かないのです。
背中の痛み、いえ、熱はいつもは冷たい私の全身を火照らせ、やが
て私はゆっくりと気を消失して行くのです。
気がつくと、縄はすっかり解かれていますが、解かれた後でも、縛
られていたはずの手足は痺れ、背中とお尻には熱い痛みが残っていま
す。
恥ずかしくて惨めな縛りなのですが、私はこの縛りが好きです。な
ぜなら、この縛りは他の縛りで鞭打たれるより、ほんの少しだけ楽な
のですから。 |