最初はきつくないのです。でも、縄は少し少し肌に食い込み、そして、ときどき衣服をはがれるので、恥ずかしさも少し少し強くなって行くのです。不思議な縛りでした。何をされるということもなく、ただ、眺められ続けるのです。でも、それが辛くなるのです。
同じ姿勢でいることが辛いのではありません。いいえ、それも辛いのです。でも、本当に辛いのは、突然に襲ってくる疎外感、孤独感でした。
緊縛というのは親に抱かれるような安心感のためにあるのだと思っていました。緊縛があんなにも寂しいものだとは思いもしませんでした。いろいろきつい縛りはあるのでしょうが、私は、この縛りだけは二度とうけたくない、と、そう思いました。 |