鹿鳴館サロン
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緊縛図鑑

   01. 亀甲縛り
   02. 鞭縄・背晒し
   03. 背負い胡坐
   04. 鞭縄・胸晒し
   05. 狢縛り
   06. 姫泣かせ 
   07. 側面座位尻晒し
   08. 高腕真一文字
   09. 両手前方腕十字
   10. あやめくずし 
   11. 利き手逃がし
   12. 羽交い高手緊縛
   13. 両手後方首十字
   14. 床卍
   15. 胡坐縛り両手閂
   16. 拷問縄・片足胡坐立ち
   17. 拷問縄・絹しぼり
 18. 姫蔓

 

 


10.あやめくずし


 大正デカダンの裏舞台にはSМがあった、と、言われている。文学や絵画や音楽を楽しむ高貴なものたちが、パーティの後に、こっそりと楽しむもうひとつのパーティがSМパーティだったと言われているのである。そこで流行していたのが、花の名のついた緊縛であったと言われている。ゆえに、緊縛において花の名があてられたものは全て鑑賞用緊縛なのである。
  その鑑賞用緊縛で、もっとも有名なのがこの緊縛である。あやめながめという緊縛があり、これは竹の棒を使ったものであり、それから竹を抜いたものが、このあやめくずしなのだ.

亀甲縛り写真


 最初はきつくないのです。でも、縄は少し少し肌に食い込み、そして、ときどき衣服をはがれるので、恥ずかしさも少し少し強くなって行くのです。不思議な縛りでした。何をされるということもなく、ただ、眺められ続けるのです。でも、それが辛くなるのです。
  同じ姿勢でいることが辛いのではありません。いいえ、それも辛いのです。でも、本当に辛いのは、突然に襲ってくる疎外感、孤独感でした。
  緊縛というのは親に抱かれるような安心感のためにあるのだと思っていました。緊縛があんなにも寂しいものだとは思いもしませんでした。いろいろきつい縛りはあるのでしょうが、私は、この縛りだけは二度とうけたくない、と、そう思いました。


出典『鹿鳴館緊縛図鑑』鹿鳴館編集部 鹿鳴館出版局

11. 利き手逃がし

 


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