鹿鳴館サロン
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官能文学辞典

   その壹. 【ぬりかべ】
   その貳. 【子泣き爺】
   その參. 【ろくろ首】
   その肆. 【トイレの妖怪】
   その伍. 【人魂】
   その陸. 【ぬらりひょん】
   その漆. 【からかさ小僧】
   その捌. 【垢舐め】
   その玖. 【河童】
   その拾. 【化け猫】
   その拾壹.【狐に化かされる】
   その拾貳.【一反木綿】
   その拾參.【小豆洗い】
   その拾肆.【タクシーの怪】
   その拾伍.【くねくね】
   その拾陸.【口裂け女】

 


その壹. 【 ぬりかべ 】

  江戸の末期、娘が用を足していると何やら気配が。時刻は丑三つ時、恐々と振り返ると、壁に目があるではないか。娘は、悲鳴を上げようにも、何しろ、下半身が晒されたままでは恥ずかしい。じっとガマンして厠を出る。
  目のあった壁を見たが穴などない。
  その話しを友達にすると、なんと、次々と似た話しが出てきた。中には、用便がガマンできずに路地で用を足したら、そこにあるはずのない壁が突然、現われ、そして、その壁には、確かに目があったと言うものまであった。
  娘たちは、これを壁の妖怪だと言うようになった。まだ、用足しを覗きたい人間がいるということのほうが、妖怪がいるという話しより信憑性の薄かった時代の話しである。


















出典『妖怪は変態』山口師範著 鹿鳴館出版局

その貳.【子泣き爺】 へ

Illustration:アキ Text:山口師範 


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