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【 事 例 】 |
(女性 ニ十三歳) |
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身体の弱い妹が生まれた時、私は喜んでいたと両親は言うのですが、私にはその記憶はありませんでした。妹は可愛いのですが、私の記憶には彼女を疎ましく思ったものより他には何もありませんでした。
妹は私たちに庇われて生きていました。たくさんの大人たちに心配され、病気が重い時には、たくさんの大人たちに手放しで愛されて生きていました。
その一方で私は何でも一人でやらされました。何ができても褒められるということがありませんでした。妹は学校に行けたということで褒められましたが私はテストで百点をとってもテストがかんたんだったのね、と、そう言われて褒めてはもらえませんでした。
最初に私がその快感に気づいたのは小学校四年生の夏のことでした。誰もいない家で私は着替えをしていました。子供だから窓を閉めなければならないという考えはなかったのだと思います。
ところが、その時、私は気づいてしまったのです。当時、二階にあった私の部屋を少し離れた公園から凝視している大人の視線があるということに。私はあえて、ゆっくりと服を脱ぎました。そして、全裸になると、うっかりパンツを忘れていたようなふりをして、床を探したりしました。お尻を窓の外に突き出したりしたのです。
その間も、その人はずっと私を見ていました。見られている、私だけをまっすぐに熱く見ている、と、そう思ったら身体の中心が熱くなって私は立っていられなくなりました。その人がもっとも見たい部分に指を置くとじっとりと熱く湿っているのが分かりました。熱は私の指がその部分に置かれたことにより、より熱くなって全身に伝わりました。ゆっくりと身体が痺れました。
それが私が露出に目覚めた最初の体験でした。
私にとっての露出は確かに性的な興奮をもたらすところの性です。でも、他の性癖と違い、私のは明らかに性を超越した部分を持つ、そう、病気に近いのだと思います。
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